今回は珍しくカスタムの内容です。
当店をご愛顧してくださっているお客様で、なおかつパーツのガラスコーティングという内容もありましたので、お受付いたしました。
他店では行わないダエグの倒立フォーク化 セパハン カスタムです。(バーハンは稀にありますが)
オーナー様の強い意向によりセパハンとなりました。
常通常倒立フォークを入れてセパハン仕様にすると、ハンドル切れ角が著しく減って乗りづらくなったり、ハンドルが低くなりすぎて乗車姿勢に問題があったりするのですが、
そこは当店の経験によりなるべく突破するべく事前のパーツチョイスをしました。
当店に豊富にあったニンジャH2のパーツ知識を使いつつ、ハンドル切れ角 ポジションも考えつつ、純正のようにまとまるカスタムにします。
「このダエグ倒立なんだ~。ふ~ん。ホイール変わってるね~。マスタータンクH2だね~。セパハンだ・・・。汗」
の流れを想定して作ります。
「セパハンはのりづらいでしょ?」と聞かれても「いいえ、ノーマルのように乗れますよ」と回答できるスペシャルです。
バフ掛けしてあるパーツもありましたので、それらが劣化しないように特殊なガラスコーティングもします。
今回は画像が多めにつき解説は最小限にします。ご了承ください。
まず後のホイールを車体から外します。(隣にあるのは違う車体のホイールです)
ノーマルスイングアームを外します。
新しいスイングアームを用意し、(今回はオーバーの最新の物です)
装着します。ここまでは普通ですね。
ここからリダクションガスプライマー(別名フレイムコーティング)します。
(ガスバーナーの炎にケイ素などのガラス剤を混入させ、瞬時に定着 プライマー処理をする。利点は素材そのものに近い状態で足付けすることができる
ガラスコーティングは塗装と同じなので、メッキやバフ掛けしてあるパーツには基本的には耐久性が確保できません。そこでガスプライマーが必要になります。メッキやバフ掛けしてある部位にガラスコーティング可能と言っているショップがありますが、あくまで施工は可能ですが、耐久性が追従しません そのようなショップにはご注意ください。)
内側も裏側もすべてガスプライマー処理します。このガス缶1缶で4000円以上しますw
スイングアームを車体に取り付けする前にガラスコーティングしない理由は スイングアームの裏側などガラスコーティングしやすいという利点と、
取り付ける際に手で触らなければならないので、極力触らないで作業進行できるということを考慮してです。
ガスプライマー完了後は、ガラス剤を直接手塗りします。
このガラス剤は硬度9H拭き上げ無しで施工できる特殊ガラス剤です。(当店のガラス剤販売としては絶版しました)
世間一般に流通している自称9Hの嘘っぱちガラスコーティング剤とは全く違います。
硬度 膜厚 透明度 すべてにおいて最高の物です。
手塗り施工前
手塗り施工後
雰囲気は少し曇った程度であまり変わりません。
このガラスコーティングの最大の欠点は除去をする場合は削るしかありません。そこがネックなのであまりこの作業は受付しておりません。
内側ももちろんすべて塗ります。
スイングアームのガラスコーティングが固まる間、フロント周りを作業します。
ノーマルフロントフォークはこんな感じですね。ガラスコーティングしてあるからピカピカですね。
お疲れさまです。
ステムも全部外します。
ステムベアリングを打ち替えしてからビックラジエター オイルクーラー サブフレームを増設します。
サブフレームは磨いた後、ガスプライマー処理し、同じくガラスコーティングします。
コーティング等はすべての作業が終わった後に行います。
サブフレーム すんなりつかなくてかなり削りの加工をしました。車体に対して取り付ける面が並行じゃないと気持ち悪いですからね。
サブフレームがベビーフェイスのエンジンガードに干渉してしまうので、エンジンガードも削ってあります。
サブフレームのせいでオイルクーラーステーが片側取り付けできなかったので、そこもステーを作り、装着しています。
サブフレームのせいで・・・。作業大変だよw
ステムにグリスを入れます。シルコリンのグリスです。
ステムを取り付けして、倒立フォークを入れます。
倒立フォークキットはサンクチュアリさんのキットをチョイス。
サンクチュアリさんは倒立フォークキットを出していますが、取り付けはできるが、セパハンの場合はきちんと乗れるかどうかは不明という回答でした。
フレームのネック側を同時に加工します。
ハンドルを仮装着します。
今回は ハンドルバー ブレーキマスター クラッチマスター マスタータンク ステー バーエンド をH2 純正使用です。
この統一感がたまりません。
切れ角チェック
ここかな?ここかな?って感じで決めます。
スイッチ系の穴を開けます。ちゃんと面取りしています。
H2のホルダーでしたらもちろんそのまま取り付けできるのですが、今回はダエグですからね。
バーエンドもH2です。
トライアンド エラーの繰り返し。誰もやってい無い事だからとても大変です。
下回りも仮装着してみます。
ラジアルマウントです。
キャリパーはこれ
装着すると豪華ですね♪
カーボンフェンダつけてみます。
ブレーキディスクはブレンボTドライブ。
これのインナーを抜きます。
そして発送
しばらく待ってねアウターちゃん。
インナーを発送した理由は色を変えたかったから。
車体のどこかに 色による 「抜き」を作りたかったんです。
車体全体が緑、各パーツが黒と金色 そこに洒落を効かせたレッドのパーツを一つ という具合です。
これをOZのGASSのホイールと組み合わせます。
本当はゴールドアルマイトにしたかったのですが、メーカーが1か月以上検討してくれた結果、
やはりできないとのことでしたので、今回は塗装です。残念。
組み合わせるとこんな感じ。
ここからホイールをガラスコーティングします。
ガンで細かいところにガラス剤を吹いたあと、手塗りで一番濃いガラス剤を塗りこみます。5年から10年は耐久すると思います。
ノーマルホイールとの対比。豪華ですね♪
タイヤをはめて
車体に装着
美しいです☆
ヘッドライトを殻割りします。HIDを装着していて、内部が汚れていたのでクリーニングするためです。
ついでにLEDヘッドライトに変更 LEDでは必要のない遮光部位を取り外し、組み立てなおしました。
そして各部のフィッティング調整です。
ダエグにH2のパーツをそのままボルトオンで入れるということはフィッティング勝負になることは初めからわかっていました。
ですが、ブレーキフルードのタンクなど社外品を使えは簡単に装着はできますが、最終的にバラバラな見た目になります。
純正で倒立フォークのような車体を作りたかったんです。
ですので、ブレーキレバー クラッチレバー レバー角度 ワイヤー取り回し すべて何回も何回も分解して取り付けしてあります。
レバーも削ってカウルに干渉しないギリギリを使っています。
実際試走して何度もチェック、ここのハンドル部分だけで10日くらいかかっています。(汗)
そしてこのバランスができます。
純正のようなまとまりです。
サブフレームを磨いてリダクションプライマーしてガラスコーティング。
エンジンのフィンも同様にコーティングしております。
もう滅多なことでは腐食しないでしょう。
そうこうしている間にスイングアームは完全硬化しています。
キャリパーサポートもリダクションプライマーをしてコーティングしてあります。
無垢材削りだしなので、普通にそのまま使用するとすぐにズタボロでしょう。
ブレーキホースも一番目立たないところを綺麗に通してあります。
フロントも同様で、取り回しを考えております。スピードセンサー配線も極力見えないように処理しています。
内容をだいぶ省略していますが、完成です。
ハンドル切れ角もノーマルより少し減ったぐらいで神経質な扱いをしないで乗れるようにできています。
オーナーさんいわく「取り回し・ライディング共にノーマルのように扱える」との事。
頑張った甲斐があります。
バフ掛けしてあるアルミパーツは腐食が酷く、その後の管理が本当に大変です。
オーナー様にもその件を伝えて今回のガラスコーティング施工の運びになりました。
腐食に対しては今後じっくり見守ってください。
ご利用誠にありがとうございました。