今回はこのH2をフィルムコーティングします。
埼玉県熊谷市からお越しです。
このH2は群馬県のとあるショップですでにフィルムコーティングしてある車両です。
走行距離は約1000Km
1000Kmしか走らないで再びフィルムコーティングするために当店に来ました。
理由は察していただければと思います。
ここから先の文面は当方の考えで進行しますので、ご了承ください。
以前から当方はフィルムコーティングはガラスコーティングより、ごまかしがきかないもので、
フィルムの繊細な画像を載せていないショップは3流ショップだと明言してきました。
ガラスコーティングができるからフィルムを貼ってみた。
普段は単一のパーツにフィルムを施工しているからH2もやってみた。その結果がこの施工状態となります。
ちなみにガラスコーティング フィルム施工に対して自信があると自負しているショップです。
型紙などでフィルムの型を取るとどうなるかも以前のブログで散々注意してきました。
型紙でフィルムの型を取ると、隣同士のフィルムの接合する場合チリが合いません。
適当なカットライン
フィルムも外国産のものを使用しているため透明度が低いです。(過去の当方のブログをご参考下さい)
端が重なって浮いている
デザインもへったくれもありません。
フィルム同士が重なってエアが入っている 下の部分だから大丈夫だと思ったのでしょうか。
エアの混入
フィルムの量をケチったのでしょうか 突然フィルムが終わっているアッパーカウル
この施工で14万前後の金額を取ったそうです。
端がおかしな事になっているフロントフェンダー
スクリーン下部はフィルムが余って飛び出ています。しかも左右共。
タンクの給油口付近もラインが全く合っていません。
この画像のフィルム業者の1か月ほど前に施工した当店の施工画像はこんな感じです。
このころは当店も型紙で採寸していたのでフィルムの端のカットラインが合っていませんね。
しかし、同じ部位でも型紙で採寸を3回以上必ず行っていました。出来上がりの差はそのショップの気質の差でもあります。
タンクセンター部分はカットラインが直線で出ると目立つので曲線を極力意識しているのが見て取れます。
フィルムにストレスがかからない形状も考慮していますね。
パズルのように組み合わさる形状で上を2枚で覆う感じです。
うちのお店が先にブログでこういうフィルムをアップしているのにも関わらず、
後出しで上記の施工を世に出すということは「細かいことは気にしない気質」だったのでしょうか。
このころは当店も型紙を使う2D採寸でしたが、現在は3D採寸2Dカットという技術を採用しております。
ブログで何度も書いておりますが、型紙で作る場合具現率は70%を下回ります。
通常何回も型紙作成を行い精度を上げて行くのですが、性格がいい加減な業者だと1回でこれを終わらせてしまう場合があります。
センターのフィルムを一番に貼って目安にしますので、この時点で70% それに左右の70%が来ますので、画像のようにずれるのです。
当然フィルム同士の接合部はゼロクリアランスは達成できません。
タンクの前方部分に行くと70%の70%の70%となり、貼れなかったのでしょう。フィルム自体が存在しません。
当店は3Dフィルムで97%の具現率を出します。面積が広がっている場合はカットラインを入れます。
そのカットラインはゼロクリアランスで接合します。
フィルムに無理なテンションもかけません。
無理なテンションをかけて不必要部位をカッターで切り取り下地を傷つける可能性がある施工方法はいたしません。
インチキができるガラスコーティングと違い、フィルムコーティングは目にはっきりと見えます。
今回のように他店のブログに施工内容が載ってしまう可能性だってあるし、
フィルムコーティングは走る広告塔でもあります。
ましてや、フィルムコーティングしてある車両を他の人に見られたときに誇れるものでなければなりません。
当店はフィルムコーティングは身に着ける服のようなものだと思っています。
このフィルムを施工した業者様にはっきり言います。
情熱もセンスのかけらもないような作業するのはやめた方が良いです。
お金を取ってよいレベルでは無いと思います。
悲しむのはエンドユーザー様なんです。
ここからはフィルムの再施工となります。
当店のフィルムに関しては過去のブログを参考にしてください。今回画像が多いため割愛します。
タンクのフィルムを剥がしてみます。
きれいに剥がれます。というか簡単に剥がれます。
なんで?
それはフィルムを貼る前にガラスコーティングしているのではないでしょうか?(違ったら申し訳ありません)
タンクは身体がかなりの勢いで触れるため、
なるべく接着力を上げなくてはならないので、
下地に剥がしやすいガラスコーティングなどを施工しないように当方は心がけています。
剥がしやすいように施工する場合は身体が直接触れない他のカウルなら良いと思います。
ではテールカウルを剥がしてみましょう。
ん?すごく剥がれにくいです。
糊残りが酷いです。
こちらはコーティング等はしていないのでしょうか?
タンクにコーティングしてテールカウルにコーティングしていないようです。
やっていることが逆で、理解不能です。
糊もバッチリ残ってしまったので除去します。
除去する際に脱脂剤を使用するので、ボディに擦り傷が入ります。
通常のバイクを使用する際に付く傷ほどではないのですが、
傷取りをします。
半分だけ磨いてみました。
完璧ではありませんが、H2の新車時よりも綺麗なぐらいの状態までリセットします。
研磨前
研磨後
研磨前
研磨後
ピカピカです。
ちなみにこういう専用ポリッシャーで磨きます。(ルペス IBRID NANO というポリッシャーで10万円くらいしたりします)
狭いところを磨くには必要なんです。
ピカピカになってバイクも喜んでいます。
この後2016年度バージョンのフィルムをインストールさせていただきました。
フィルムの施工状態に関しては過去ブログをご参考下さい。
下回りガラスコーティングもご希望でしたが、前の業者が下回りにかけてはいけないガラスコーティングを施工していたために、今回下回りコーティングは断念しました。
ガラス剤のチョイスも間違えているうえに 施工箇所も間違えており、マフラーのエキパイ部分とサイランサーがマダラになっていたり、
どうしようもない状態でしたが、除去も困難を極めますので、
オーナー様に現状で施工されているガラスコーティングの注意事項と扱い方を念入りにお伝えしてお帰りいただく形となりました。
オーナーさんもバイクもニコニコで帰っていきました。
当店をご利用いただき誠にありがとうございました。